『外食レストラン新聞』を10倍面白くする方法

日食外食レストラン新聞とは、日本食料新聞社が発行している新聞。といっても月1回発行ですが。名前の通り、外食関係者向けの発行紙です。記事はレストラン、料理の食材、新しい調味料情報など。載っている広告も、もやし、油(一斗缶)、各種皮類などなど。

その中の記事『売れるメニューのヒント』という、記者が各地で取材した料理を業界向けに紹介するコーナーを勝手に紹介してみる。
5月号は弁当編とあり、熊本のスーパーなどを取材した弁当類が紹介されています。いくつか書き起こしてみましょう。


『年俸の安いうなぎの三冠王』うなぎめし
(山藤/熊本県熊本市 385g/735円)
内容:ウナギかば焼き、うなぎ肝煮、う巻き、奈良漬け、たれ、白飯。
見所:「ウナギかば焼き」と「う巻き」が一緒に入った弁当や、「ウナギかば焼き」に「ウナギの肝吸い」が付いた弁当はどこにでもある。だがこの「うなぎめし」のように、「ウナギかば焼き・肝の煮付け・う巻き」という、3種類のウナギ料理が入った弁当はほとんどない。2種類と3種類とでは大きな違いだ。日本のプロ野球で言えば、二冠を取る選手は毎年のように出るが、三冠王となると過去7人しかいない。この弁当はいわば「ウナギの三冠王」なのである。プロ野球の三冠王だと年俸が驚くほど高いが、このウナギの三冠王は「735円」と価格が安いのもうれしい。
実用性★★ 生産性★★ 経済性★★ オシャレ★★ 容器適正★★ ユニーク★★★


格安の三冠王が熊本に現れたという。うなぎというと浜松のイメージが強いが、生産量はここ数年、鹿児島県と愛知県がトップを競り合う状態で、鹿児島のおとなり熊本でもなじみがあるのでしょうか。3種類入ったお弁当って結構ありそうな気がするのですけど、記者が「ほとんどない」と断言するのですから、無いのでしょう。
ちなみに最後の★評価は五段階で、記者の評価は結構渋い。ウナギの三冠王でも記者の心は打てなかったか。


『懸命に泳ぐキビナゴの躍動感』きびなごのかき揚げ
(黒潮市場新外店/熊本県熊本市 92g/105円)
内容:キビナゴ、ニンジン、ゴボウ、ピーマン、の天ぷら。
見所:このかき揚げに入っているキビナゴは、まるで「海の中を泳いでいる」ように見える。海といっても、蕪村の春の海のように終日のたりのたりとしている海ではない。冬の荒れ狂う海の中をもがきながら懸命に泳ぐキビナゴの姿にである。この迫力満点の「きびなごのかき揚げ」を食べれば、キビナゴから生命力をもらった気分になれそうだ。「エビのかき揚げ」のエビや、「イカのから揚げ」のイカも、このキビナゴを見習って踊ったり跳ねたり躍動感を付ければ、もっと売れそうだ。
実用性★★ 生産性★★ 経済性★★ オシャレ★★ 容器適正★★ ユニーク★★★


油の海を五右衛門のごとく泳ぎ終えたキビナゴたちの写真が載っていますが、容器から飛び出しそうな雰囲気は、容器がちょっと小さいせいでもあるような。他の食材も躍動感を付ければ売れると言うけれど、イカは無理があるのでは。
記者は与謝蕪村に例えて表現しているけれど、これを読む人の何割が「蕪村の春の海」を想像できるのでしょう。いや私がピンとこないだけですけど。


『馬焼きパワーで不況打破』さくらカルビ弁当
(くまもと阪神/熊本県熊本市 482g/598円)
内容:馬肉焼き、卵焼き、ウインナー、ゴボウサラダ、レタス、ふろふき大根、たくあん、プチトマト、白飯。
見所:熊本名産「馬肉のカルビ」を塩コショウ味で焼いている。馬肉といえば「馬刺し」として食べるのが一般的だが、熊本では焼き肉のように「馬焼き」にして食べることが多い。しかも焼き肉のたれではなく、地元の甘口醤油を使う。馬肉と甘口醤油との相性は抜群で、甘口醤油は馬肉のたれ用に造られたといっても言い過ぎではないくらいによく合う。馬肉を食べる地方は、加藤清正の肥後(熊本)、武田信玄の甲信(山梨・長野)など、戦が強かった。「馬焼き」を全国に普及して、100年に1度といわれる不況を打ち破りたいものだ。
実用性★★ 生産性★★ 経済性★★ オシャレ★★ 容器適正★★ ユニーク★★


馬肉のカルビは知りませんでした。たしかに馬肉というと馬刺しかコンピーフの印象です。名古屋にも普及したなら、是非購入したいです。
しかし願望と★評価は別の話。弁当ひとつじゃ不況を打ち破れないことは記者も重々承知である。

次は比較的評価の高いもの。


『自由にアレンジできる半熟そぼろ親子』鶏そぼろ丼(半熟玉子入り・国産鶏肉使用)
(プレッセ日本橋店/東京都中央区 368g/480円)
内容:鶏そぼろ、半熟卵、レタス、白飯。
見所:『鶏そぼろ丼』の真ん中に殻付きの半熟卵がのっている。このまま殻を割らずに半熟卵をフィルムシートごと取り除けば、純然たる『鶏そぼろ丼』と、最近話題の「T・K・G(卵かけご飯)」が楽しめる。また殻を割り半熟卵を鶏そぼろと混ぜれば、「親子丼」感覚で楽しむこともできる。もちろん最初は「鶏そぼろ丼」で食べて、途中から「親子丼」に切り替えることも可能だ。お客が自分の好きなタイミングにお好みの味で食べられるようになっているところが素晴らしい。これまで鶏そぼろ丼とセットされる卵といえば、いり卵が一般的だったが、半熟卵とのセットも人気を呼びそうだ。
実用性★★★★ 生産性★★★ 経済性★★★ オシャレ★★ 容器適正★★ ユニーク★★★


記者は「T・K・G」を使いたかったのでしょうか。それを置いても、そぼろ丼の上にフィルムを置いて殻付き半熟卵を置くというのは、買い手の自由度が高まるので良いですね。
普通に良さそうです。


こちらの記事の全般的特長として、味の評価が少ないor書かれていません。このコーナーは売るためのヒントを示すことが目的なので、買い手が手に取る動機作りに重きを置いているようです。
他にも『とりねぎ丼』を「揚げすぎた失敗品や売れ残りを活用してもバレにくいので、経済的にも優れている」と評したり、
『チキンカツデミグラス弁当』内のカツにかけられている卵加工品について「普通のチキンカツ弁当が「431円」に対して、この弁当は「498円」。なんと、卵が少しかかっただけで67円も高い。それでもこの弁当の方が多く売れているようだ」と、儲かるテクニックなどを解説しているあたり業界向けらしい。


発行部数は一般新聞の何分の一か何百分の一か知らないけど、もしどこかで見かけたら読んでね。
まぁ無いけど。


10倍面白くする方法?

そんなものはありません。

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